犬の口蓋裂(生まれつきの病気)手術について(ここをクリック)
ゆじ動物病院がお届けする症例紹介・CT機器・眼科手術レポート紹介。犬の口蓋裂(生まれつきの病気)手術について(ここをクリック) (2016-06-28)について
--ゆじ動物病院-- 症例紹介・CT機器・眼科手術レポート
2016/06/28 掲載!
犬の口蓋裂について
口の中の口蓋という所に穴が開いていることで、口と鼻がつながってしまってしまう生まれつきの病気です。
今回手術したのは生後3ヵ月のTプードルとMシュナウザーとの間に生まれた子です。
多くがミルクを鼻から逆流することで発見されます。
手術は若すぎると組織が柔らかすぎて術後に縫合部位が開いてしまう危険性があります、よって手術は生後2〜3ヵ月を目安に、ある程度成長するまで待って行います。
ただし手術ができる週齢になるまでは誤嚥性肺炎をおこさないように十分注意しながら栄養を与えていかなくてはなりません。今回手術を行った子も飼い主さんは本当に注意深くそして大切にお世話をされていました。
麻酔は小さい動物なので低体温と低血糖に十分に注意して行わなければなりません。
この子は硬口蓋(鼻に近い口の中の硬い部分)と軟口蓋(喉の奥の方の軟らかい部分)の両方の穴を閉じる手術が必要でした。
硬口蓋の手術
@上顎の歯の横と穴の両サイドにメスで切開を加え、
A次に器具を使って血管を傷つけないように注意しながら粘膜と骨膜の間を剥がしていきます。
(これをすることで左右から穴の方に寄せることができるようになります)
B穴が閉じるように粘膜と骨膜をそれぞれ縫合していきます。
軟口蓋の手術
@穴を閉じようと無理に引っ張って寄せると縫った部分に強い力がかかってしまうため、穴の左右両方の外側にメスで切開を加えます。
A穴の辺縁を切開し鼻の粘膜、口の筋肉、口の粘膜とを分離して順々に縫合して閉じていきます。
B今回はさらに縫合したところにかかる力を減らすため、テント状に張る役目をしている骨を敢えて骨折させる方法も加えました。